食用加工油脂の高度化基準
1.製造過程の管理の高度化の目標
(1) 対象品目及び品目の製造過程
食用加工油脂を対象とする。但し、食用加工油脂とは、マーガリン類、ショートニング・精製ラード及び食用精製加工油脂をいう。
食用加工油脂類の製造過程の高度化は、次のようなマーガリン類、ショートニング・精製ラード、及び食用精製加工油脂についての一般的な製造過程を前提として取り組むものとする。なお、( )は製品の種類によっては必ずしも必要としない工程である。
食用加工油脂類の製造過程の高度化は、次のようなマーガリン類、ショートニング・精製ラード、及び食用精製加工油脂についての一般的な製造過程を前提として取り組むものとする。なお、( )は製品の種類によっては必ずしも必要としない工程である。
1) マーガリン類
原材料の受け入れ及び保管⇒原材料の計量 ⇒ 混合溶解・ろ過 ⇒ 乳化 ⇒ 加熱殺菌 ⇒ (急冷練り合わせ) ⇒ 充填 ⇒ 箱詰 ⇒ (熟成) ⇒ 検品 ⇒ 製品保管 ⇒ 出荷
原材料の受け入れ及び保管⇒原材料の計量 ⇒ 混合溶解・ろ過 ⇒ 乳化 ⇒ 加熱殺菌 ⇒ (急冷練り合わせ) ⇒ 充填 ⇒ 箱詰 ⇒ (熟成) ⇒ 検品 ⇒ 製品保管 ⇒ 出荷
2) ショートニング・精製ラード
原材料の受け入れ及び保管 ⇒ 原材料の計量 ⇒ 混合溶解・ろ過 ⇒ (急冷練り合わせ) ⇒ 充填 ⇒ (包装) ⇒ (熟成) ⇒ 検品 ⇒ 製品保管 ⇒ 出荷
原材料の受け入れ及び保管 ⇒ 原材料の計量 ⇒ 混合溶解・ろ過 ⇒ (急冷練り合わせ) ⇒ 充填 ⇒ (包装) ⇒ (熟成) ⇒ 検品 ⇒ 製品保管 ⇒ 出荷
3) 食用精製加工油脂
原材料の受け入れ及び保管 ⇒ (脱酸) ⇒ (脱色) ⇒ 水素添加または分別またはエステル交換 ⇒ 精製 ⇒ (混合) ⇒ 充填 ⇒ (包装) ⇒ 検品 ⇒ 製品保管 ⇒ 出荷
(2) 製造過程の管理の高度化の目標
事業者は,食用加工油脂の製造過程に次のようにコーデックスガイドラインに示された7原則12手順を適用して製造過程の管理の高度化を図ることとし、このための建物の整備、機械・装置の整備を行うこととする。この場合において、食品衛生上の危害を防止する措置及び品質の管理の高度化を図る措置を適切に講ずるために、マーガリン類については加熱殺菌工程を、ショートニング・精製ラードについては混合溶解・ろ過工程、食用精製加工油脂については精製工程を管理点とし、その管理基準を設定することとし、これに対応した施設整備を行うこととする。
「コーデックスの7原則12手順」
(1) 専門家チームの編成
食用加工油脂の製造過程の管理の高度化に関する知識、経験を有する者からなる専門家チームを編成して製造過程の管理の高度化に取り組む。
(2) 製品の記述
食用加工油脂の原材料、保管条件等製品に関する文書を作成する。
(3) 製品の使用形態
消費者が摂取する際、そのまま、または調理に用いる等の行為、並びに業務用として使用される場合にはその旨記載する。
(4) 製造過程図の作成
製造過程図には、原材料の受け入れ及び保管,精製,原材料の計量、混合溶解・ろ過,乳化、加熱殺菌、急冷練り合わせ、充填、包装、箱詰、熟成、検品、製品保管、出荷等必要な工程が含まれるものとする。
(5) 製造過程図の確認
製造過程図を現地で確認する。
(6) 危害分析の実施(原則1)
食用加工油脂製造の各工程において、微生物汚染、異物混入、化学物質汚染によるすべての危害をリストアップして評価し、明らかとなった危害の管理方法を検討する。
(7) 重要管理点の決定(原則2)
食用加工油脂の製造過程の中の(6)でリストアップされた危害の発生を除去し、または許容できる水準まで軽減することが必要な重要管理点を特定する。
(8) 管理基準の設定(原則3)
(7)の重要管理点について、食用加工油脂の危害の発生を防止するため、管理基準を設定する。
(9) 重要管理点を監視するシステムの設定(原則4)
(7)の重要管理点につき、常時または適切な頻度で監視できるシステムを設定する。
(10) 改善措置の設定(原則5)
(9)の監視システムで、異常を発見した場合の改善措置を設定する。
(11) 検証の手順の設定(原則6)
(12)の記録のもとに(9)の監視システムの検証を定期的に行うものとする。
(12) 文書及び記録の作成、保存(原則7)
(1)から(11)までの手順の文書の備え置き及び(9)の監視システムによる記録が行われるよう文書を作成する。
「コーデックスの7原則12手順」
(1) 専門家チームの編成
食用加工油脂の製造過程の管理の高度化に関する知識、経験を有する者からなる専門家チームを編成して製造過程の管理の高度化に取り組む。
(2) 製品の記述
食用加工油脂の原材料、保管条件等製品に関する文書を作成する。
(3) 製品の使用形態
消費者が摂取する際、そのまま、または調理に用いる等の行為、並びに業務用として使用される場合にはその旨記載する。
(4) 製造過程図の作成
製造過程図には、原材料の受け入れ及び保管,精製,原材料の計量、混合溶解・ろ過,乳化、加熱殺菌、急冷練り合わせ、充填、包装、箱詰、熟成、検品、製品保管、出荷等必要な工程が含まれるものとする。
(5) 製造過程図の確認
製造過程図を現地で確認する。
(6) 危害分析の実施(原則1)
食用加工油脂製造の各工程において、微生物汚染、異物混入、化学物質汚染によるすべての危害をリストアップして評価し、明らかとなった危害の管理方法を検討する。
(7) 重要管理点の決定(原則2)
食用加工油脂の製造過程の中の(6)でリストアップされた危害の発生を除去し、または許容できる水準まで軽減することが必要な重要管理点を特定する。
(8) 管理基準の設定(原則3)
(7)の重要管理点について、食用加工油脂の危害の発生を防止するため、管理基準を設定する。
(9) 重要管理点を監視するシステムの設定(原則4)
(7)の重要管理点につき、常時または適切な頻度で監視できるシステムを設定する。
(10) 改善措置の設定(原則5)
(9)の監視システムで、異常を発見した場合の改善措置を設定する。
(11) 検証の手順の設定(原則6)
(12)の記録のもとに(9)の監視システムの検証を定期的に行うものとする。
(12) 文書及び記録の作成、保存(原則7)
(1)から(11)までの手順の文書の備え置き及び(9)の監視システムによる記録が行われるよう文書を作成する。
2.製造過程の管理の高度化を図るための施設の整備の基準
(1) 建物・構造基準
① 区画の分離等
- マーガリン類にあっては加熱殺菌工程の後の工程から充填工程までを、ショートニング・精製ラードにあっては混合溶解・ろ過工程の後の工程から充填工程までを、食用精製加工油脂にあっては、精製工程の後の工程から充填工程までを清浄作業区域とし、他の区域と隔壁で仕切られていること。但し、清浄区域において工程及び工程間が閉鎖系となっている場合は、この区域内において開放系となる工程を清浄区域とすることができるものとし、他の区域と隔壁で仕切られていること。
- その他必要に応じ、他の区域において隔壁での仕切りを行うことができる。
- 原料の受入から製品の出荷までの過程が交差せずに配置される十分な広さを有すること。
② 付属設備
- 清浄作業区域内の空気を清浄に保つための設備が備わっていること。
- 必要に応じ、他の区域内の空気を清浄に保つための設備を備えることができる。
- その他必要に応じ、ドックシェルター、エアシャワー設備、衛生環境整備のための排水設備、自動式等の手洗い設備、靴殺菌設備、清浄区域専用作業着更衣室設備等の付属設備を備えることができる。
(2) 機械・装置基準
① 機械・装置の配置
- 原材料の受入から製品の出荷までの過程が交差しないように、原材料保管施設、水素添加装置、分別装置、エステル交換装置、精製装置、混合溶解・ろ過装置、乳化装置,加熱殺菌装置、急冷練り合わせ装置、充填装置、箱詰装置、製品保管施設が適切に配置されていること。
② 分析・管理装置
- 必要に応じ、マーガリン類では加熱殺菌工程の温度及び時間、ショートニング・精製ラードでは混合溶解・ろ過工程のストレーナの監視、食用精製加工油脂では精製工程の温度、時間、圧力を常時監視し、記録する機械・装置を設置することができる。
- その他必要に応じ、混合・乳化等の作業施設の温度、包装作業施設の室温、原材料保管冷蔵施設(冷凍施設を含む。)の室温、製品保管施設の室温を常時監視し、記録する機械・装置、原材料及び製造過程にある製品の分析装置(例えば、過酸化物価測定装置、pHメータ、水分活性測定装置、金属探知機等)を設置することができる。
③ 冷蔵施設(冷凍施設を含む)
- 必要に応じ、原材料及び製品の保管のための冷蔵施設を個別に設置することができる。
④ その他の施設
- 必要に応じ、生産施設等の整備を図ることができる。